ジュクジュク肌と、ステロイド依存症皮膚炎のリンパ液滲出(しんしゅつ)対策
ステロイド依存症皮膚炎の肌は、カユミによる皮膚の掻き壊しで、リンパ液が皮膚から滲み出て、ジュクジュクした状態になることがあります。
アトピーさんが脱ステロイドを行う中で、リンパ液の滲出によるジュクジュク肌になってしまった時は、一体どうしたらよいのでしょうか?
ジュクジュク肌になる原因は、梅雨から夏の時期に蓄積されやすい
アトピーさんの肌がジュクジュクしたり、リンパ液の滲出が増えやすい時期は、梅雨から夏にかけて。
なぜ、この時期になると、水けを含む水泡や、ジュクジュクとした皮膚の症状が出やすいのでしょうか?
それは、梅雨時期の湿気と、暑さ、日本人のもともと水分代謝しにくい体質に原因があります。
高温多湿の気候風土で暮らす日本人は、もともと皮膚からの水分発散が難しい体質を持っています。
余分な水分は、尿や汗からの排泄に頼ることになるのですが…
アトピーさんやステさんは、副腎や腎臓、膀胱の働きが弱っていることが多く、普通の人よりも尿の回数や量は少なめな傾向があります。
また、暑い夏場は、どうしても喉が渇き、水やお茶、ジュース、みずみずしい果物などの水分を摂りすぎてしまいますが、今は冷房が効いた部屋で過ごすことが多いため、余分な水分を排出しようとしても、アトピーさんの肌は汗腺も弱っているので汗もかきづらく…
尿や汗による水分の排出を妨げられることで、さらに体の中に余分な水分が蓄積されます。
こうして、梅雨から夏の時期にかけてや、年間を通して水分摂取量(水・お茶・果物やジュース・食べ過ぎを含みます)が多いアトピーさんの体には、余分な水分が蓄積されて、何かのきっかけで肌から水分が排出されやすい体内環境が出来上がります。
汗をかきにくい体質が、ジュクジュク肌を悪化させる
表皮にある汗腺や皮脂腺では、不要になった体内の水分を、汗や皮脂と混ぜて代謝しています。
ところが、梅雨の時期で湿度が高くなって、空気中の水分が飽和状態になると、体内の水分が排出されにくくなります。
外気の湿度が高まるほど、水分を外に出そうとする皮膚には負担がかかり…
肌のバリア機能も弱まって、ちょっとした刺激で湿疹や炎症が起こりやすくなります。
もともと皮膚が弱く、カユミを伴いやすいアレルギースキンや、ステロイド依存症皮膚炎のような極端にバリア機能が弱っているお肌は…
カユミによる掻き壊しで皮膚が傷つくと、それを引き金に、体内の余分な水分を、傷口から一緒に排出しようとします。
ステロイド依存症皮膚炎のリバウンドが、この時期に重なった場合…
強い痒みに、ジュクジュクとしたリンパ液の滲出…酷く掻き壊すと出血もあったりで、皮膚への負担はハンパではありません。
おまけに、梅雨の湿気で皮膚も渇きにくく、傷口が自然に乾燥して、その後、瘡蓋状になり皮膚落ちするペースが落ちたりと、梅雨はとてもやっかいな時期でもあります。
掻いても傷になるほどではない場合は、掻いた部分の皮膚がぷっくりと膨らんで、赤みや痒みを伴う状態になることもあります。
これは、皮下にリンパ液が溜まっている状態、排泄しきらない水分の集まりでもあります。
皮膚のトラブルのうち、乾燥が強くて悪化しているものは、湿度が高まると良い状態になることもありますが…
もともとジュクジュクしやすい皮膚トラブルを持つ人は、この時期になると悪化しやすくなるのです。
具体的な対策は?
梅雨から夏の時期に悪化するジュクジュク肌でお困りの場合の対策は、大きく分けて2通りあります。
1つめは、「水分を摂りすぎない事」
体に余分な水分を入れすぎないようにすることです。
ステロイド依存症皮膚炎で、リンパ液の滲出が多いと感じる人は、普段からの水分摂取の量や、食事の量に気を配るべきです。
水分の摂り過ぎ、食べ過ぎは、症状を悪化させやすくしますので、注意が必要です。
例えば、味の濃い食事や、油っこいもの、消化しにくいものは、必然的に食事中の水分摂取も多くなるので、同時に避けます。
2つめは、「汗をかくこと」
体の余分な水分を、尿だけでなく、汗で排出できるような体になることです。
もともとアレルギースキンの方は、中医学・五臓六腑でいうところの「肺」に、負担がかかり弱っている人が多いのですが…
この「肺」が弱い人は、上手に汗をかけない人が多いのです。
だから、アレルギースキンや、アレルギー体質、ステロイド依存症皮膚炎の人も、汗をかきにくい人がとても多いのです。
だから、どうしても余分な水分の排泄を、尿に頼りがちになるのですが、普段から汗で排出できるようになれば、体・皮膚への負担はとても軽くなります。
ジュクジュク肌が長く続くのは、体内の余分な水分を傷口から排出しようとする、自然な働きでもある
リンパ液が滲出しているときに汗をかくのは、正直苦痛ですし、雑菌繁殖を招きやすくもなります。
汗をかいたり、皮膚を掻き壊してしまったときは…強酸性水などを用いて「殺菌」をこまめにして、その後よく乾かすことが、とても大切です。
とにかく、梅雨の時期は、暑いからと言って、水やお茶をガブガブ飲みすぎないように気を配ること。
ジュクジュクした皮膚から水気の輩出が増えて、悪化しやすくなり、胃腸にもダメージを与えてしまいます。
そして、冷房に当たりすぎたり、汗腺を弱らせるようなことは避ける事。夏に火照った体を上手に鎮めたり、体を冷やし過ぎない、自分なりのテクニックやコツをつかむことも大事な事です。
ジュクジュク肌が悪化した場合は、まず。水分摂取と食事の量に注意してみてくださいね。